恋愛日記top / 詩小説TOP / sensitive-garden HOME
 






日ごと 夏はかたむき
風は、9月。空も、9月。

愛おしい夏が終わる。
このまま 永遠に夏が続けばいいのに!
そう言うと 君は笑って
「終わりがあるから愛おしいのよ」と言った。
それはいつだったか 僕が君に言ったセリフだよ。
いつの間にか、君は 僕みたいだ。

涼しくなった夜風に 秋の虫の声。
風船かずらの 軽くかすかなる鈴の音が、
それに応えるかのように カサカサと音をたてる。

この先 いくつの夏を 君と過ごせるのだろう。
何度夏をむかえても 夏のおわりには
やっぱり永遠に夏が続けばいいって 僕は言うだろう。
その度に君はきっと 今日と同じセリフ 僕に言うんだ。

そのことが たまらなく愛おしくて
僕はまた この瞬間が永遠に続けばいいって 思うんだ。


<2003.9.17>