恋愛日記top / 詩小説TOP / sensitive-garden HOME
 







時速250kmのスピードで
梅雨ぞらの都会から遠ざかる。

遠くに夏雲、
今日ニュースは この島の真ん中あたりまで 夏が来たことを告げた。
前線をくぐりぬける瞬間を見るのだと、
君は子供みたいに目を見開いて
窓のそとのパノラマに もう夢中。
ぼくのことなんて そっちのけだね。
すこし眠るふりして
君が「みてみて」なんてぼくを起こすの 待ってみようか。

目をあけると、まぶしい夏空と 満足げな君の顔。
ぼくらいつのまにか 夏を乗り過ごしていた。

こんなことは 久しぶりだね。
ぼくらは 時速250kmのスピードで ゆっくりゆったり進むんだ。

<2003.7.26>