手紙#7 


あの日の朝、僕は「やっぱり永遠なんてこの世にはないんだ」って、そう思ったんです。
だから僕の『Garden』のラストは僕の希望でしかなく、
こんなフィクションは現実にはかなわないんだって、そう思ったんです。
だから、『Garden』自体も僕の胸のなかにしまっておけばいい、そう思ってた。

でもね、今はこう、思うのです。
あなたがいたことで 僕がこの庭をつくったように、
人は誰かの影響なしには生きられない。

あなたの紡いだ物語は、今も僕やたくさんの人のなかに 確かに生きている。
あなたの物語をきっかけに 今日もたくさんの物語が生まれる。
少なくとも僕は、これからもこの想い かたちにしてゆくから。
あなたに出会えた 万に一つのこの奇跡、宝物にして生きてゆくから。

やがて僕にも終わりの日がきて、この世にあなたを知る人がいなくなったとしても、
僕の紡いだ物語が また誰かが物語紡ぎはじめるきっかけになったなら、
あなたも僕も その先の物語のなかで、永遠に生き続けていけるから…。
そんなふうに、思うのです。


永遠は、たしかにここにある。
後悔しているだけじゃ進めないから、
ぼくは今日も、庭をつくるのです。


さいごにもう一度だけ、言わせてください。
僕はあなたが大好きです。